ロボットスーツが変える医療介護の未来を知ろう!

この記事について

2023.02.07付 田園調布学園中等部・高等部 学園ブログに公開のものと同内容です。
元記事:https://www.chofu.ed.jp/blog/23065/

1月27日(金)の放課後に,情報科主催による高等部生を対象とした講座「ロボットスーツが変える医療介護の未来を知ろう!」(情報科 企業コラボ Vol.1)を実施しました。

今回の講座には,湘南ロボケアセンター センター長の粕川 隆士 様をお迎えして,世界初の装着型サイボーグ「HAL®(Hybrid Assistive Limb®)」について,実演や体験,ロボケアセンターでの実際のリハビリ過程をお話し頂くとともに,これからの社会でサイバニクス産業がどのように発展していくのか,といった具体的なお話について伺いました。

高等部2年生の情報の授業では,高度情報化社会で活用されている技術や仕組みについて「人工知能(AI)」や「ロボティクス」,「VR/AR/MR」や「ドローン」などをテーマに取り扱っています。12月から1月にかけて「ロボティクス」をテーマに学習を行い,この度は「発展的な学習」・「更に視野を広げる機会」として,湘南ロボケアセンター センター長の粕川様に強いオファーをして,本企画が実現に至りました。

本講座で取り扱った「HAL®(Hybrid Assistive Limb®)」は,身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる,世界初の装着型サイボーグです。人は体を動かそうとすると,その運動意思に従って脳から神経を通じて筋肉に信号が伝わり,その際に微弱な「生体電位信号」が体表に漏れ出してきます。HAL®は,装着者の「生体電位信号」を皮膚に貼ったセンサーで検出し,意思に従った動作を実現することができます。

講座内では,実際に腕にセンサーを取り付けて,腕を動かさずに脳から筋肉へと伝わる生体信号だけでHAL®を動かしたり,HAL®を利用することで得られる効果について体験したりしました。

HAL®は身体の不自由な方への補助および身体機能の向上を促すことによって,脊髄損傷や神経難病などによって歩行が困難な人々の自立歩行を支援したり,労働者の補助として 重たい物を持ち上げる際の負荷を軽減する手助けをしたり,今現在では世界中でHAL®が使用されています。そして国内では,ロボティクステクノロジーとデータサイエンスを用いた先端医療から介護予防までを実現する融合研究も始まっています。

粕川様には熱意ある受講者たちのために,当初の予定よりも大幅に時間を掛けてご説明・体験の機会を頂き,2時間半にわたる講座もあっという間に終了しました。

講座を受講した生徒の感想文(文章より抜粋)からは,「ロボットスーツを着用することで当事者自身の行動範囲も広がり、少ない介助のみでの生活が可能になることで、同居の家族の方の生活にも大きな影響を及ぼさずに済むというのは新たな発見でした。」「様々な事例を見て、自分にはできないと思っていたことができたときの喜びや感動は私たちが思っているよりも相当大きなものなんだろうなと感じました。」,「高齢者の方々や病気や事故で足が動かなくなってしまった人たちにHALのロボットスーツで『もう一度自分で歩いてみたい!』という希望や勇気に応えていらっしゃることに感動しました。」,「自分が知らないことばかりで、新しい発見や誰かに教えたいと思う内容がとても多く、本当に楽しい時間でした。」といった記述もあり,本講座での学びは,高度情報化社会を生き抜く生徒たちにとって,大変参考になる有意義な機会となりました。

<関連Webサイト リンク>

・湘南ロボケアセンター  http://www.robocare.jp/shonan/
・CYBERDYNE株式会社  https://www.cyberdyne.jp/

情報科 村山達哉

ご講演を終えて…

その後、湘南ロボケアセンター株式会社の公式Facebook(2023年2月9日付)にて、当日のことを学園ブログの記事と併せて取り上げて下さいました。

粕川様、どうもありがとうございます。

(村山)