「『モールス符号』×『電磁誘導』を題材とした教科横断型授業」というタイトルでオンデマンド発表をさせて頂きました。

今年は、高等部3年生(情報Ⅰ演習 選択)を対象に実施した「情報」×「物理」の教科横断型授業の実践です。 昨年度(2024年度)から行い、今年度で二度目の実践です。(各年度2クラスずつ行いました)
授業の趣旨は以下のとおりです。
私自身、授業では「体験」を重視し、大切にしています。今回の実践においても実際に体験を通して物事の概念や仕組みを知って理解することを大切にしました。
今回の実践における「(大きな)体験」には、以下のような内容を実施しました。
・情報通信コミュニケーションの原初的な形態として、「トーキングドラム」を実際に体験する。
・物理教員の協力を得て、簡易的な電信機を作成し、モールス符号を打鍵する活動を行う。
・ハフマン圧縮について、符号が出現頻度の偏りに基づいて設計されていることを理解するため、生徒自身が英文データを用意し、自作した Python プログラムに読み込ませて文字の出現頻度を調べる。その上で、自分が用意した英文データからどのようなモールス符号が生成されるのかを確認し、実際に使われているモールス符号と比較することで、どの程度一致しているのかを検証を行う。

←生徒が,「私の『モールス符号』」作成過程で使用したシート。
生徒からは「実際に自分たちで回路を作って,モールス符号を打ったことによって、
効率の良い情報伝達やデータ圧縮の仕組みについて理解がより深まった。」といった感想を聞くことができました。
発表動画では、授業当日の様子や学習内容を簡単にまとめておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
座談会でご一緒させていただいた、愛知県立旭丘高等学校の井手広康先生からもコメントをいただいた「モールス符号」が登場する問題について、「『情報』試作問題(検討用イメージ)」のデータのURLを添付いたします。
※PDFの16ページ(第5問)以降に、シフト暗号やアルファベットの出現頻度に関する問題が掲載されています。
https://www.ipsj.or.jp/education/9faeag0000012a50-att/sanko2.pdf









「モールス符号」をテーマに、メディアの特性やコミュニケーション手段の変遷・特徴について科学的に理解するとともに、効果的なコミュニケーションの考え方や方法を身に付ける。また、通信の歴史を知り、実際に電信機や回路を制作してモールス符号の利点や課題点を体感しながら、打鍵の活動を通して、モールス符号を用いた通信のメリットや、なぜ欧文モールス符号が現在のような規則になっているのかを学び、効率的なデータ圧縮(ハフマン符号)への理解を深める。